千葉県立下総高等学校Shimofusa High School

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自動車部 NATS EV競技会2018レポート⑥

11月3日(土)に日本自動車大学校(NATS)にてNATS EV競技会2018が開催。

3年生にとっては最後の大会となりました。

部長である田中くんは「NATSにはつらい思い出があったので、最後の大会でそれを塗り替えたいと思って挑みました。記録はどうであれ最後まで走りきることが目標でした。」と話してくれました。

昨年の本大会では雨で視界不良に陥り、本番走行2周目でタイヤウォールに激突してリタイヤを余儀なくされた田中くん。このままでは終われないとその時から闘志を燃やしていたようです。

昨年ぶつかったタイヤウォールをコース清掃の際に見つめて雪辱を誓う田中くん

また9月に行われた全国大会直後には尊敬する先輩ドライバーを超えるには、先輩が達成したことのないEV競技会での優勝しかないと話していたこともありました。

 

並々ならぬ思いで挑んだEV競技会でしたが、練習走行中にタイヤがパンクしたときはどう感じたのでしょうか?

「それが何も思わなかったんです、無ですよ、無。」と話す田中くん。「降りて確認したときにカウルへの被害は少なかったので直ると思っていました。3年間のレースの中で横転もしたし、パンクごときじゃビビらなくなってしまいました。」と自嘲交じりに話してくれました。

 

パンク修理作業はタイヤ班に任せて、練習走行の残り時間はとても落ち着いていた田中くん。

「いつもは自分がドライバーをやっているけど、初めて裏方に回って作戦を指示できたのは良かったです。モータの始動タイミングを変えるプランをいくつか考えていて、それを試せたのが良かったです。」

練習走行にはもう一台のBチームが引き続き走行していました。タイヤがパンクして練習できなかったというビハインドも、Bチームのマネジメントに参加することでポジティブに考えることができる姿勢が、部全体にも伝わっていたように感じました。

 

タイヤ班の頑張りもあってタイヤを本番走行までに間に合わせると、落ち着いた状態のまま本番走行にも挑むことができ、田中くんがドライバーを務めるAチームが念願の1位に輝きました!本校自動車部としては、本大会での優勝は初めてのことです。

「(昨年卒業したドライバーの)石塚先輩を超えることができた。自動車部が今までできなかったことができた。それで十分です。」と嬉しさを隠しきれない様子でした。

「今年度の大会は(部として)全部1位をとることができました。目標としていた2500㎞/ℓという記録には届かなかったけど、良い成績を残すことができたと思います。」

 

残り少ない部活動の中で後輩に伝えたいことはあるかと聞くと

「今のうちに勉強をしっかりしてほしい。3年生になると勉強をする時間が本当になくなりますから。分からないことがあれば先生や先輩に聞くのもよし、本やインターネットを使って勉強するのもよし、とにかくどんどん勉強すれば部が目標としている記録に必ずつながります。」と力説していました。

「あとは謙虚であること。」とどこか自分の反省らしい響きを感じさせながら付け加え「みんなで協力して記録を目指して頑張ってください」と締めくくりました。

 

部での田中くんの評判を聞くと、「部外者に活動内容を説明する場面では、本当に上手に説明するのがすごいと思います。自分が説明してもイマイチ伝わらなかったのに、田中先輩が説明した途端、聞いていた人も引き込まれて理解したようにうなずいているのを見て、さすがだな~と思いました。」と話してくれたのは2年生の永長くん。

そういった人を魅了する話し上手な面は田中くんの持ち味なのでしょうけど、説明はどうしても内容を理解していないとうまくできません。そこは田中くんが人知れず勉強をして努力をした結果なのかもしれません。

 

さて、部長である田中くんには卒業時に次期部長を指名するという大役が残されています。田中くんが誰を部長に指名するのか、その瞬間まで顧問も一切聞かされません。

それまでの間、明確なリーダーは不在で部は活動を続けるのです。後輩たちはその期間に誰かがリーダーシップをとらなくては部が立ちいかないことを自然と学び、リーダーの重要性とチームワークの大切さも同時に学び成長してくれるはずです。

来年は誰が部長になるのでしょうか?リーダー不在期間も、そんなことを楽しみにしながら見守りたいと思います。