千葉県立下総高等学校Shimofusa High School

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自動車部 くもり対策

夏休みが終わって新学期が始まりました。

自動車部では、全国大会まで1か月を切りました。

エンジン班、タイヤ班も細かい調整に入っています。

 

ボディー班では夏休み期間中、風洞実験を繰り返し行っていました。

周回計測機器トランスポンダの取り付けカバーの実験から始まって、来年度の新型マシンのボディー型の実験、そして現在はベンチレーション機構の実験に取り組んでいるようです。

 

ベンチレーション機構は、スクリーン(窓)のくもり対策です。

「外気温が低いと、マシンに乗車してしばらくすると必ず曇るんです。」

と教えてくれたのはドライバーを務めている2年生の篠田くん。

大会が開催されるツインリンクもてぎは山地に位置するので気温の低いことが多く、レース中に曇ってしまうことはよくあるそうです。スクリーンはお手製なので歪んでしまうこともあり、ただでさえ視界が良いとは言えない中、曇ってしまうとなお一層視界が悪くなり、事故なく完走することをモットーとしている篠田くんにとっては相当重要な問題となっているようです。

 

ベンチレーション機構を考えるにあたってチームを引っ張っているのは同じく2年生の捧くん。

どういうところに気を付けて設計をしているのか聞いてみると

「空力(空気抵抗によって受ける影響)ですね。マシン自体の空力を乱さないことに気を遣っています。」と答えてくれました。

これまではマシンの外側にしか流れていなかった空気を内側に取り込むのですから、当然空気の流れ方には変化が起きます。空気の流れが変わると、マシン自体が受ける空気抵抗も変化してきます。それを極力変化させないように気を付けて取り組むのが難しいところです。

 

ベンチレーション機構はカウルに直接穴を開けて、使わない時はテープでふさぐという方式をとりました。失敗したらそれこそ空力を乱しかねないと、3世代前のマシンを実験に使用しました。

実験の様子 くもりを再現するのに、車内にお湯を張った容器を入れて実験している

 

実験は試行錯誤の繰り返しだったようです。

最初はファンを使って強制的に風を取り込んだり排出したりを試みたのですが、そうすると気流を乱して風の流れをかえって邪魔することが分かりました。

次にカウルに開けた小さな通風孔から自然風を取り込むことにしたのですが、どこに穴を開けてもスクリーンに沿わせることがうまくいきませんでした。かと言ってスクリーン自体に穴を開けると、使わない時にテープでふさぐと視界をさえぎってしまいます。悩んだ末、エアロパーツを取り付けて風の流れを誘導すればいいんじゃないかというアイディアが出てきたそうです。

実験中のエアロパーツ 試作品はダンボールで作られる

エアロパーツは現段階では通風孔からスクリーンに向かって板状のものを考案。多少スクリーンに被ってしまいますが、スクリーンと同じ材質のペット樹脂で加工すれば視界を邪魔することはありません。

試作されたエアロパーツの数々 本校自動車部ではまずはダンボールで試作品を作ることがよくある

 

また、ベンチレーション機構を考える前に車内の風の流れを線香の煙を使って観察したところ、隙間から流れ込んできた空気は一度(なぜか)前に向かって流れていき、そこから後方に向かって車内を一巡したのちにまた前方に戻って排出されていくことが分かりました。

そこで前先端から取り込んだ空気をスクリーンに沿って車内を一巡させ、また前方に巡ってきたところで下方から排出するように穴を開けました。

 

ただ、実験に使っているのは3世代前のマシン。

ちょうど形を大幅に変えた時期で、最も特徴的なのは現在のマシンよりも車高が高いところにあります。

3世代前のマシン(左・赤)と昨年のマシン(右・緑)の車高を比べたもの

実験とは全く違う結果が返ってくることも想定しなければなりません。

「今回はデータ取りのつもりで試験的に運用するつもりです。」と捧くん。先はまだ長いようです。

ドライバーを務める篠田くんは、「くもりが取れれば嬉しいです。後は良い記録を出すだけ。」と新機能に期待しつつも、みんなの技術の結晶に込められた思いに応えようと気合も十分の様子です。

 

全国大会は9月29日(日)栃木県のツインリンクもてぎにて開催されます。